排水を始める前に、床下の浸水状態の写真を必ず撮影してください。この写真は火災保険の申請と罹災証明書の被害認定の両方で証拠になります。水を抜いてしまったら「どこまで浸水していたか」の証拠が消えてしまいます。
撮るべき写真:床下の水が溜まっている状態、メジャーを当てて水位がわかる写真、外壁の浸水痕、基礎の水位ライン。最低でも10枚以上、動画も撮っておくと安心です。
撮影のコツを詳しく解説
必要な道具一覧
床下の排水に必要な道具を紹介します。ホームセンターで揃えることもできますが、ポンプとホースは性能で選ばないと現場で苦労します。私たちが実際に使っているおすすめ品を紹介します。
① 排水ポンプ(最重要)
¥65,300(税込・参考価格)
床下の排水にはこのスイープポンプが最適です。一般的な水中ポンプはポンプ本体ごと水の中に沈める必要がありますが、スイープポンプは吸引部だけを床下に入れればOK。ポンプ本体は床上に置いたまま作業できるので楽です。底面のスイープ機構で残り2〜3mmの浅い水まで吸い上げ可能。鶴見製作所(ツルミポンプ)は業務用ポンプのトップメーカーです。
普通の水中ポンプはフロートスイッチで水位を検知して動作します。水位が下がるとフロートが下がって自動停止してしまう。つまり床下に数cmの水が残った状態で止まります。スイープポンプはフロートなしで、底面のスイープ機構で残り2〜3mmまで吸い上げる構造なので、残水を大幅に減らせます。
床下は点検口に水が集まるような設計にはなっていません。勾配も均一ではないため、点検口まわりの水は抜けても、奥の方に部分的に水が残るケースがよくあります。ポンプで抜けない残水を処理するには専用のバキューム機材が必要で、一般の方には危険を伴うため専門業者にご相談ください。
② サクションホース
¥13,341(税込・25m・参考価格)
ホームセンターでよく売っている青い柔らかいホースは絶対におすすめしません。水圧で暴れて外れたり、折れて詰まったりします。排水には螺旋状の補強が入った硬質のサクションホースを使ってください。口径は25mm(ポンプの吐出口に合わせる)、長さは25mあれば遠い汚水枡まで届きます。
③ 漏電ブレーカー(安全のために必須)
¥3,065(税込・参考価格)
水まわりで電動ポンプを使う以上、漏電ブレーカーは必須です。コンセントに差し込むだけで使えるタイプが便利。ポンプの電源コードを直接コンセントに差すのではなく、必ずこの漏電ブレーカーを間に入れてください。万が一漏電が発生した場合に瞬時に電気を遮断し、感電事故を防ぎます。
④ その他の部品・道具
ポンプ・ホース・漏電ブレーカー・部品をすべて自分で揃える場合、約82,000円です(ポンプ¥65,300+ホース¥13,341+漏電ブレーカー¥3,065+部品数百円)。業者にポンプ排水を依頼する場合は一般的に3〜10万円程度が相場です。
通常3〜10万円かかるポンプでの排水作業を、アクサムでは無料で実施。その後の契約の有無に関係なく、ポンプでの排水は無料です。
現地調査・お見積もり・漏水箇所の特定も無料。まずはお気軽にご相談ください。
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ポンプで水を抜く手順
スイープポンプはポンプ本体を水中に沈めず、吸引部だけを床下に入れるタイプです。一般的な水中ポンプとは段取りが異なるので注意してください。
▍ポンプの設置
ポンプを点検口のそばに設置する
点検口のそばにポンプ本体を設置します。スイープポンプは本体を床上に置いたまま使うため、ポンプ自体は床下に入れません。ポンプの下にトレー(浅いバット)を敷いておくと、呼水を入れる際やホースの着脱時に溢れた水を受け止められます。
▍ホースの段取り
排水ホースにカップリングを接続
排水ホース(サクションホース)の先端にカップリング(接続金具)を取り付けます。ここが緩いと水圧で外れます。
排水ホースをポンプから排水先まで伸ばす
排水ホースを点検口近くのポンプから、家の外の排水先まで伸ばして段取りします。雨水による浸水の場合は側溝や汚水枡へ流してOKです。ただし、排水管の漏れなどが原因でヘドロや悪臭を放つ汚水の場合は、側溝に流すのは絶対にNG。近隣トラブルの原因になります。自宅の汚水枡へ流してください。
パッキンを入れる(必須)
排水ホースをポンプに接続する前に、接続部にパッキン(25mmカップ用)を必ず入れてください。パッキンがないとホースとポンプの隙間から水漏れします。
ポンプに排水ホースを接続
ポンプの吐出口に排水ホースを接続します。カップリングを使ってしっかり固定してください。
吸水ホースをポンプに接続
ポンプの吸水口に吸水ホースを接続します。この吸水ホースの先端(吸引部)だけを床下に入れて排水します。
▍呼水の段取り
呼水キャップを外して呼水を入れる
呼水(よびみず)とは、ポンプを起動する前にポンプ内部に入れる水のことです。ポンプの中が空の状態で動かすと空気しか吸わず正常に排水できません。呼水キャップを外して、満タンになるまで水を入れてください。
▍吸水ホースの設置
吸水ホースを床下の水に入れる
吸水ホースの先端(吸引部)を点検口から床下に降ろし、溜まった水の中に入れます。ポンプ本体が入らない狭い箇所にも吸引部を差し込めます。
▍電源の段取り
漏電ブレーカーを設置して電源を準備
漏電ブレーカー(スイッチ式)をコンセントに差し込みます。この時点では漏電ブレーカーのスイッチは必ずオフにしておいてください。スイッチがオフの状態で、ポンプの電源コードを漏電ブレーカーに接続します。
水まわりで電動ポンプを使う以上、漏電・感電のリスクは常にあります。ポンプを直接コンセントに差すのではなく、必ず間に漏電ブレーカーを入れてください。
▍排水開始前の最終確認
排水開始前の最終確認(3度確認)
排水を開始する前に、以下のポイントを3度確認してください。
- ホースの接続部にゆるみがないか(排水ホース・吸水ホースの両方)
- 排水先に人がいないか、近隣の敷地に水が流れ込まないか
- 排水ホースが途中で折れたり潰れたりしていないか
▍排水開始
漏電ブレーカーをオンにして排水開始
すべての準備が整ったら、漏電ブレーカーのスイッチをオンにして排水を開始します。排水中は点検口のポンプと外の排水先を行ったり来たりして常に確認してください。決して放置しないでください。
▍排水完了・片付け
排水完了 → 正しい順番で片付け
排水が終わったら、まず排水ホースの中の水が出きったことを確認してから、漏電ブレーカーのスイッチをオフにしてポンプを停止してください。排水ホースの中に水が残ったまま外すと、ホースを外した瞬間に水が溢れ出します。
片付けの順番:① 漏電ブレーカーのスイッチをオフ → 電源コードを外す ② 吸水ホースをポンプから外す ③ 排水ホースをポンプから外す
どれだけ性能の良いポンプを使っても、床下に1cm近くは水が残ります。床下は勾配が不均一で、点検口の部分に水が集まるように設計されていないためです。残水の処理にはバキューム吸引など専門的な機材が必要です。ポンプで抜ける分を抜いたら、あとは専門業者への依頼をおすすめします。
注意事項(安全に作業するために)
漏電・感電に注意
水場での電気作業は漏電・感電のリスクが常にあります。濡れた手でコンセントを触らない、延長コードの接続部が水に浸からないようにする、漏電ブレーカー付きの延長コードを使用してください。
ホースの外れ・吹き出しに注意
ホースバンドの締め付けが甘いと、水圧でホースが外れて水が室内に噴き出すことがあります。接続部はドライバーでしっかり増し締めし、排水開始直後は接続部のそばで水漏れがないか確認してください。
空運転させない(発熱・故障の原因)
水を全部吸い終わった後もポンプを回し続けると、モーターが過熱して故障や火災の原因になります。水位が下がってポンプの吸い込み音が変わったら(空気を吸うカラカラ音)、すぐに漏電ブレーカーのスイッチをオフにしてください。
床下に入るときの安全対策
床下には釘や金属片、ガラスの破片が混ざっていることがあります。長袖・長ズボン・ゴム手袋・長靴・ヘッドライトは必ず着用してください。作業後は手洗い・うがいを徹底してください。
排水後にやること
ポンプで水を抜いたら終わり、ではありません。「水を抜いて乾かすだけ」では復旧にならない——これは私たちが現場で何度も痛感してきたことです。見た目が乾いていても、構造材の内部に水分や汚染が残っていれば、カビ・腐朽・悪臭・シロアリ被害という形で必ず後から問題が出ます。
浸水した床下には、泥・排水成分・有機汚染物質・雑菌が付着しています。水で流すだけの清掃では菌や有機物は木部や隙間に残留します。また自然乾燥や簡易的な送風では、木材やコンクリート内部に吸い込まれた水分は抜けきりません。
本来必要な復旧工程
バキューム吸引(残水・汚泥の徹底除去)
ポンプで抜けなかった残水や汚泥を、25mの吸引ホースで床下の奥深くまで潜行して吸い出します。この工程を省略すると、後の洗浄・乾燥の品質に大きく影響します。
高圧バイオ洗浄
高圧洗浄機と微生物配合型の洗浄剤で床下全体を徹底洗浄。5種5千万個の善玉菌が汚染を分解・除去します。水で流すだけの清掃とは根本的に洗浄力が違います。
除湿乾燥(4〜7日間・数値管理)
水害復旧専用の除湿乾燥機(1日最大60Lの除湿能力)と送風機5〜10台を設置し、4〜7日間かけて徹底乾燥。含水率計で毎日数値を測定し、目標値に達するまで乾燥を続けます。
消毒・防カビ・オゾン燻蒸
EPA(米国環境保護庁)認証の水害専用薬剤で消毒・防カビ・防虫を一括処理。さらにオゾンガス燻蒸で隙間や空気中の浮遊菌・カビ胞子・悪臭の原因物質まで酸化分解します。
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よくあるご質問
排水ポンプがあれば自分でも可能です。ただし漏電の危険や、空運転による発熱など注意点が多いため、不安な場合は専門業者への依頼をおすすめします。
ポンプ・ホース・漏電ブレーカー・部品をすべて購入する場合、約82,000円です。業者にポンプ排水を依頼する場合は一般的に3〜10万円程度が相場。アクサムでは復旧工事とセットでポンプ排水を無料で行っています。
ポンプの能力と水量によりますが、一般的な戸建ての床下で2〜6時間程度です。水量が多い場合は半日以上かかることもあります。
水害復旧専用の除湿乾燥機を使って4〜7日間が目安です。家庭用の送風機だけでは構造材内部の水分が抜けきらないことが多く、含水率計で数値管理しながら乾燥させるのが理想です。
水災補償の対象になる場合は、排水・乾燥・消毒の費用も保険金に含まれます。作業前に保険会社に連絡し、領収書を必ず保管してください。
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