床下浸水の水抜き方法
道具・費用・手順を専門業者が写真で解説
床下浸水したら、できるだけ早く水を抜く必要があります。この記事では、現場で実際に使っている道具と排水の手順を12ステップで写真つき解説。ポンプの選び方から排水後の処理まで、プロの作業をそのまま公開します。
排水を始める前に、床下の浸水状態の写真を必ず撮影してください。この写真は火災保険の申請と罹災証明書の被害認定の両方で証拠になります。水を抜いてしまったら「どこまで浸水していたか」の証拠が消えてしまいます。
撮るべき写真:床下の水が溜まっている状態、メジャーを当てて水位がわかる写真、外壁の浸水痕、基礎の水位ライン。最低でも10枚以上、動画も撮っておくと安心です。
必要な道具一覧
床下の排水に必要な道具を紹介します。ホームセンターで揃えることもできますが、ポンプとホースは性能で選ばないと現場で苦労します。私たちが実際に使っているおすすめ品を紹介します。
① 排水ポンプ(最重要)
床下の排水にはこのスイープポンプが最適です。一般的な水中ポンプはポンプ本体ごと水の中に沈める必要がありますが、スイープポンプは吸引部だけを床下に入れればOK。ポンプ本体は床上に置いたまま作業できるので楽です。さらに、ポンプ本体が入らない狭い箇所にも吸引部だけ差し込めるため、床下の複雑な構造でも確実に排水できます。底面のスイープ機構で残り2〜3mmの浅い水まで吸い上げ可能。鶴見製作所(ツルミポンプ)は業務用ポンプのトップメーカーで、私たちも現場で使っています。
普通の水中ポンプはフロートスイッチ(浮き)で水位を検知して動作します。水位が下がるとフロートが下がって自動停止してしまう。つまり床下に数cmの水が残った状態で止まります。スイープポンプはフロートなしで、底面のスイープ機構で残り2〜3mmまで吸い上げる構造なので、残水を大幅に減らせます。
床下は点検口に水が集まるような設計にはなっていません。勾配も均一ではないため、点検口まわりの水は抜けても、奥の方に部分的に水が残るケースがよくあります。広範囲で残ってしまうことも。
ポンプで抜けない残水を処理するには、床下に潜ってバキュームという機械で徹底的に吸い上げる方法がありますが、バキューム本体や25mホースなど機材を揃えるだけで数十万円かかります。また作業も慣れていないと危険で、衛生上のリスクも高いため一般の方にはおすすめできません。残水の処理は専門業者にご相談ください。
② サクションホース
ホームセンターでよく売っている青い柔らかいホースは絶対におすすめしません。水圧で暴れて外れたり、折れて詰まったりします。排水には螺旋状の補強が入った硬質のサクションホースを使ってください。折れにくく、水圧にも強いため安定して排水できます。
口径は25mm(ポンプの吐出口に合わせる)。長さは25mあれば遠い汚水枡まで届きます。近くに排水先があればもっと短くてもOKですが、短すぎるとホースが暴れて危険なので余裕を持たせてください。
③ 漏電ブレーカー(安全のために必須)
水まわりで電動ポンプを使う以上、漏電ブレーカーは必須です。コンセントに差し込むだけで使えるタイプが便利。ポンプの電源コードを直接コンセントに差すのではなく、必ずこの漏電ブレーカーを間に入れてください。万が一漏電が発生した場合に瞬時に電気を遮断し、感電事故を防ぎます。
④ その他の部品・道具
ポンプとホースの接続に必要な部品と、作業に必要な道具一式です。
- ホース固定バンド金具(25mm径対応) — ホースとカップリングを固定する。必ず25mm径に対応するものを選ぶこと。300円前後(Amazon で見る)
- 25mmカップ用パッキン — ホースとポンプの接続部に入れる。これがないと水漏れする。300円前後(Amazon で見る)
- トレー(浅いバット) — 呼水やホース着脱時の水溢れ受け。なければ布マットやタオルでも代用可能
- ゴム手袋・長靴 — 感電防止と衛生対策
- 延長コード(防水タイプ推奨) — ポンプの電源コードが短い場合に
ポンプ・ホース・漏電ブレーカー・部品をすべて自分で揃える場合、約82,000円です。内訳はポンプ(LSP1.4S)が¥65,300、ホース(25mm×25m)が¥13,341、漏電ブレーカーが¥3,065、バンド金具等が数百円。業者にポンプ排水を依頼する場合、一般的には3〜10万円程度が相場です。
アクサムではポンプ排水を無料で行っています
通常3〜10万円かかるポンプでの排水作業を、アクサムでは無料で実施。
その後の契約の有無に関係なく、ポンプでの排水は無料です。
ポンプで水を抜く手順
ここからは実際の排水手順を、写真つきで解説します。スイープポンプはポンプ本体を水中に沈めず、吸引部だけを床下に入れるタイプです。一般的な水中ポンプとは段取りが異なるので注意してください。
1
ポンプを点検口のそばに設置する
点検口のそばにポンプ本体を設置します。スイープポンプは本体を床上に置いたまま使うため、ポンプ自体は床下に入れません。
ポンプの下にトレー(浅いバット)を敷いておくと、呼水を入れる際やホースの着脱時に溢れた水を受け止められます。トレーがなければ布マットやタオルでも代用可能です。
2
排水ホースにカップリングを接続
排水ホース(サクションホース)の先端にカップリング(接続金具)を取り付けます。ポンプの吐出口に合うサイズを選んでください。
3
排水ホースをポンプから排水先まで伸ばす
排水ホースを点検口近くのポンプから、家の外の排水先まで伸ばして段取りします。
排水先の選び方が重要です。雨水による浸水の場合は側溝や汚水枡へ流してOKです。ただし、排水管の漏れなどが原因でヘドロや悪臭を放つ汚水の場合は、側溝に流すのは絶対にNG。匂いなどで近隣トラブルの原因になります。写真のように自宅の汚水枡へ流してください。
4
パッキンを入れる(必須)
排水ホースをポンプに接続する前に、接続部にパッキン(25mmカップ用)を必ず入れてください。パッキンがないとホースとポンプの隙間から水漏れします。小さい部品ですが、これを忘れると排水中に接続部から水が吹き出して大変なことになります。
5
ポンプに排水ホースを接続
ポンプの吐出口に排水ホースを接続します。カップリングを使ってしっかり固定してください。接続が甘いと水圧でホースが外れたり、隙間から水が吹き出します。
6
吸水ホースをポンプに接続
ポンプの吸水口に吸水ホースを接続します。吸水ホースの先端が床下の水に届く長さであることを確認してください。この吸水ホースの先端(吸引部)だけを床下に入れて排水します。
7
呼水キャップを外して呼水を入れる
呼水(よびみず)とは、ポンプを起動する前にポンプ内部に入れる水のことです。ポンプの中が空の状態で動かすと空気しか吸わず、正常に排水できません。呼水キャップを外して、満タンになるまで水を入れてください。
8
吸水ホースを床下の水に入れる
吸水ホースの先端(吸引部)を点検口から床下に降ろし、溜まった水の中に入れます。スイープポンプの最大の利点は、この吸引部だけを入れればいいこと。ポンプ本体が入らない狭い箇所にも吸引部を差し込めます。
9
漏電ブレーカーを設置して電源を準備
漏電ブレーカー(スイッチ式)をコンセントに差し込みます。この時点では漏電ブレーカーのスイッチは必ずオフにしておいてください。
スイッチがオフの状態で、ポンプの電源コードを漏電ブレーカーに接続します。これで漏電ブレーカーのスイッチをオンにすればポンプに電気が流れる仕組みが完成です。
水まわりで電動ポンプを使う以上、漏電・感電のリスクは常にあります。ポンプを直接コンセントに差すのではなく、必ず間に漏電ブレーカーを入れてください。万が一漏電した場合に瞬時に電気を遮断してくれます。
10
排水開始前の最終確認(3度確認)
排水を開始する前に、以下のポイントを3度確認してください。ホースの接続が緩んでいると、水圧で隙間から水が溢れ出します。
- ホースの接続部にゆるみがないか(排水ホース・吸水ホースの両方)
- 排水先に人がいないか、近隣の敷地に水が流れ込まないか
- 排水ホースが途中で折れたり潰れたりしていないか
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漏電ブレーカーをオンにして排水開始
すべての準備が整ったら、漏電ブレーカーのスイッチをオンにして排水を開始します。スイッチを入れるとポンプが動き出し、排水が始まります。
排水中は点検口のポンプと外の排水先を行ったり来たりして常に注意・確認してください。決して放置しないでください。ホースが外れたり、排水先で問題が起きていても気づけません。
12
排水完了 → 正しい順番で片付け
排水が終わったら、まず排水ホースの中の水が出きったことを確認してから、漏電ブレーカーのスイッチをオフにしてポンプを停止してください。
排水ホースの中に水が残ったまま外すと、ホースを外した瞬間に水が溢れ出します。
片付けの順番:
- 漏電ブレーカーのスイッチをオフ → 電源コードを外す
- 吸水ホースをポンプから外す
- 排水ホースをポンプから外す
どれだけ性能の良いポンプを使っても、床下に1cm近くは水が残ります。低水位用ポンプやスイープポンプでも同じです。理由は、床下は勾配が不均一で、点検口の部分に水が集まるように設計されていないためです。点検口まわりの水は抜けても、奥の方では水が溜まったままになることが多い。
残水の処理にはバキューム吸引など専門的な機材が必要です。ポンプで抜ける分を抜いたら、あとは専門業者への依頼をおすすめします。
注意事項(安全に作業するために)
漏電・感電に注意
水場での電気作業は漏電・感電のリスクが常にあります。濡れた手でコンセントを触らない、延長コードの接続部が水に浸からないようにする、できれば漏電ブレーカー付きの延長コードを使用してください。
ホースの外れ・吹き出しに注意
ホースバンドの締め付けが甘いと、水圧でホースが外れて水が室内に噴き出すことがあります。接続部はドライバーでしっかり増し締めし、排水開始直後は接続部のそばで水漏れがないか確認してください。
空運転させない(発熱・故障の原因)
水を全部吸い終わった後もポンプを回し続けると、モーターが過熱して故障や火災の原因になります。水位が下がってポンプの吸い込み音が変わったら(空気を吸うカラカラ音)、すぐに漏電ブレーカーのスイッチをオフにしてください。スイープポンプでも完全に水がなくなれば空運転になります。
床下に入るときの安全対策
床下には釘や金属片、ガラスの破片が混ざっていることがあります。長袖・長ズボン・ゴム手袋・長靴・ヘッドライトは必ず着用してください。また、床下の泥水には雑菌が含まれているため、作業後は手洗い・うがいを徹底してください。
排水後にやること
ポンプで水を抜いたら終わり、ではありません。「水を抜いて乾かすだけ」では復旧にならない——これは私たちが現場で何度も痛感してきたことです。見た目が乾いていても、構造材の内部に水分や汚染が残っていれば、カビ・腐朽・悪臭・シロアリ被害という形で必ず後から問題が出ます。
浸水した床下には、泥・排水成分・有機汚染物質・雑菌が付着しています。水で流すだけの清掃では汚れの表面を動かしているだけで、菌や有機物は木部や隙間に残留します。また自然乾燥や簡易的な送風では、木材やコンクリート内部に吸い込まれた水分は抜けきりません。
本来必要な復旧工程
バキューム吸引(残水・汚泥の徹底除去)
ポンプで抜けなかった残水や汚泥を、25mの吸引ホースで床下の奥深くまで潜行して吸い出します。この工程を省略すると、後の洗浄・乾燥の品質に大きく影響します。
高圧バイオ洗浄
高圧洗浄機と微生物配合型の洗浄剤で床下全体を徹底洗浄。5種5千万個の善玉菌が汚染を分解・除去します。配管周りなど細部は手洗いでブラッシング。水で流すだけの清掃とは根本的に洗浄力が違います。
除湿乾燥(4〜7日間・数値管理)
水害復旧専用の除湿乾燥機(1日最大60Lの除湿能力)と送風機5〜10台を設置し、4〜7日間かけて徹底乾燥。「見た目が乾いた」ではなく、含水率計で毎日数値を測定し、コンクリート20%前後・木部15%前後の目標値に達するまで乾燥を続けます。
消毒・防カビ・オゾン燻蒸
EPA(米国環境保護庁)認証の水害専用薬剤で消毒・防カビ・防虫を一括処理。さらにオゾンガス燻蒸で隙間や空気中の浮遊菌・カビ胞子・悪臭の原因物質まで酸化分解します。一般的な消石灰やアルコール消毒にはない「防カビ持続性」が大きな違いです。
自治体が案内する消石灰や次亜塩素酸は「応急対応」としては有効ですが、床下浸水後の本格的な復旧や再発防止には不十分です。次亜塩素酸は金属腐食リスクがあり防カビ効果もありません。消石灰は取り扱い上失明などの重大なリスクもあります。
よくあるご質問
排水ポンプがあれば自分でも可能です。ただし漏電の危険や、空運転による発熱など注意点が多いため、不安な場合は専門業者への依頼をおすすめします。
ポンプ・ホース・漏電ブレーカー・部品をすべて購入する場合、約82,000円です。業者にポンプ排水を依頼する場合は一般的に3〜10万円程度が相場。アクサムでは復旧工事とセットでポンプ排水を無料で行っています。
ポンプの能力と水量によりますが、一般的な戸建ての床下で2〜6時間程度です。水量が多い場合は半日以上かかることもあります。
水害復旧専用の除湿乾燥機を使って4〜7日間が目安です。家庭用の送風機だけでは構造材内部の水分が抜けきらないことが多く、含水率計で数値管理しながら乾燥させるのが理想です。
水災補償の対象になる場合は、排水・乾燥・消毒の費用も保険金に含まれます。作業前に保険会社に連絡し、領収書を必ず保管してください。
床下の排水・乾燥・消毒は
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アクサムでは床下浸水の排水・泥出し・乾燥・消毒・防カビ処理まで一貫対応しています。火災保険の申請に必要な見積書の作成もサポートします。
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⚠ 免責事項
・本記事の内容は一般的な床下排水の手順を解説したものであり、すべての現場に当てはまるわけではありません。
・電気機器を水場で使用する作業には感電の危険が伴います。安全に不安がある場合は専門業者にご依頼ください。
・紹介している商品は筆者が使用しているものであり、特定メーカーとの利害関係はありません。
道具を揃える前に、まずはご相談ください。
アクサムではポンプ排水を無料で対応しています。
「自分でやるか業者に頼むか迷っている」
そんな段階でもお気軽にどうぞ。
ポンプ排水は無料。その後の復旧工事も含めてご相談いただけます。