床上浸水の罹災証明書
申請方法と受けられる公的支援一覧
床上浸水の被害に遭ったら、罹災証明書の取得は最優先事項です。被害認定の結果によって、受けられる公的支援の金額が大きく変わります。この記事では、申請方法・被害認定の基準・受けられる支援を水害復旧の専門業者が詳しく解説します。
❶ 床上浸水なら罹災証明書は必ず取得すべき(公的支援に必須)
❷ 被害認定は「全壊〜準半壊」まであり、区分によって支援金額が大きく変わる
❸ 被災者生活再建支援金は最大300万円(基礎支援金+加算支援金)
❹ 認定結果に不服がある場合は再調査の申請が可能
床上浸水で罹災証明書が重要な理由
床上浸水の被害に遭った場合、罹災証明書は公的支援を受けるために必須の書類です。床下浸水では公的支援がほぼゼロですが、床上浸水の場合は被害認定の区分によって数十万〜数百万円の支援金を受けられる可能性があります。
- 被災者生活再建支援金(最大300万円)
- 災害義援金
- 税金の減免・猶予(固定資産税・住民税・所得税など)
- 住宅の応急修理制度(最大70.6万円)
- 災害復旧貸付(低利融資)
- 公営住宅への優先入居
罹災証明書は公的支援のための書類であり、火災保険の申請には必要ありません。火災保険は保険会社が独自に査定を行います。ただし、両方の制度を併用できるため、火災保険の申請と罹災証明書の取得は並行して進めましょう。
罹災証明書の申請方法(3ステップ)
罹災証明書(りさいしょうめいしょ)は、自然災害による住宅の被害の程度を市区町村が公的に証明する書類です。
- 申請先:お住まいの市区町村の役所(防災課・危機管理課・税務課など)
- 対象:自然災害(大雨・台風・地震・洪水など)による住家の被害
- 費用:無料(何枚でも発行可能)
- 発行までの目安:1〜2週間程度(大規模災害時は1ヶ月以上)
- 申請期限:被害発生から1〜3ヶ月以内(自治体により異なる)
取得の流れ(3ステップ)
1
役所に申請する
市区町村の役所に罹災証明書の交付申請書を提出します。多くの自治体ではオンラインや郵送での申請にも対応しています。被害写真を添付するとスムーズです。
2
自治体職員による現地調査
調査員が自宅を訪問して被害状況を確認します。浸水の高さ・被害範囲・建物の構造への影響を調査し、被害認定区分(全壊〜準半壊)を判定します。立ち会えると被害状況を直接説明できるのでベターです。
3
罹災証明書の交付
調査結果にもとづき、罹災証明書が交付されます。認定された被害区分によって受けられる公的支援が決まります。何枚でも無料で発行できるので、多めに取得しておくと各種支援の申請に便利です。
被害写真の撮影が最優先です。掃除や修理を始める前に、浸水の高さがわかるようにメジャーを当てた写真、被害箇所の全景、壁や床の損傷など、できるだけ多くの写真を撮っておきましょう。この写真は罹災証明書の申請にも、火災保険の申請にも使えます。
被害認定の基準と区分
罹災証明書で認定される被害の区分は、以下の通りです。床上浸水の場合、浸水の深さと建物への影響によって区分が決まります。
| 被害区分 | 基準の目安 | 主な公的支援 |
|---|---|---|
| 全壊 | 損害割合50%以上 住み続けることが困難な状態 |
基礎支援金100万円 +加算支援金最大200万円 |
| 大規模半壊 | 損害割合40%以上50%未満 | 基礎支援金50万円 +加算支援金最大200万円 |
| 中規模半壊 | 損害割合30%以上40%未満 | 加算支援金最大100万円 |
| 半壊 | 損害割合20%以上30%未満 | 応急修理制度(最大70.6万円) 税減免・義援金など |
| 準半壊 | 損害割合10%以上20%未満 | 応急修理制度(最大34.3万円) 税減免・義援金など |
一般的に、床上浸水は「半壊」以上の認定を受けやすい傾向にあります。浸水の深さが深いほど損害割合が大きくなり、上位の区分に認定される可能性が高くなります。ただし、建物の構造や浸水時間によっても判定は変わります。
被害認定の区分別|受けられる公的支援一覧
被害認定の区分によって、受けられる公的支援の内容と金額が異なります。床上浸水で「半壊」以上の認定を受けた場合に利用できる主な支援を紹介します。
① 被災者生活再建支援金
大規模災害時に被災者の生活再建を支援するための制度です。都道府県が「被災者生活再建支援法」の適用を決定した場合に支給されます。
- 全壊:基礎支援金100万円+加算支援金最大200万円=最大300万円
- 大規模半壊:基礎支援金50万円+加算支援金最大200万円=最大250万円
- 中規模半壊:加算支援金として最大100万円
- 半壊以下:対象外
※加算支援金の額は再建方法(建設・購入/補修/賃借)によって異なります
② 住宅の応急修理制度
災害救助法が適用された地域で、被害を受けた住宅に対して修理費用が支給される制度です。
- 半壊以上:最大70.6万円(1世帯あたり)
- 準半壊:最大34.3万円(1世帯あたり)
③ 災害義援金
国民や企業から集められた義援金が、被害認定の区分に応じて配分されます。金額は災害の規模や集まった義援金の総額によって異なりますが、全壊のほうが多く配分されます。
④ 税金の減免・猶予
- 所得税の雑損控除 — 被害額を所得から控除できる
- 固定資産税の減免 — 被害を受けた家屋の税額を軽減
- 住民税の減免 — 自治体によって対応が異なる
- 国民健康保険料の減免
⑤ その他の支援
- 公営住宅への優先入居 — 住み続けることが困難な場合
- 災害復旧貸付 — 日本政策金融公庫等による低利融資
- 教育関連の支援 — 学校の授業料免除・就学援助など
火災保険の保険金を受け取っていても、公的支援は別途申請可能です。保険金を受け取ったから公的支援が受けられない、ということはありません。両方をフルに活用するのが被害回復の鍵です。
認定結果に不服がある場合の対処法
罹災証明書の被害認定に納得できない場合、再調査を申請する権利があります。
再調査の申請
認定結果の通知を受けた後、自治体に再調査を申請できます。1回目とは別の調査員が再度現地を訪問し、改めて被害を確認します。再調査で区分が上がるケースは珍しくありません。
追加の証拠を提出する
1回目の調査で見落とされた被害箇所がある場合、追加の写真や専門業者の報告書を添えて再調査を依頼すると効果的です。壁の内部の損傷や床下の被害など、表面からは見えにくい被害を記録した資料が有効です。
たとえば「半壊」から「大規模半壊」に変わるだけで、被災者生活再建支援金の対象になり50万円以上の支援金が受けられる可能性があります。「ギリギリ下の区分だった」という場合は、再調査を検討する価値は十分にあります。
よくあるご質問
浸水の深さや建物への影響によって異なりますが、床上浸水であれば「半壊」以上に認定されるケースが多いです。浸水が1m以上に達している場合は「大規模半壊」や「全壊」の可能性もあります。
ほとんどの自治体で被害発生から1〜3ヶ月以内の申請期限が設けられています。大規模災害の場合は延長されることもありますが、できるだけ早く申請しましょう。
はい、併用できます。火災保険の保険金と公的支援は別々の制度なので、両方を受け取ることが可能です。
何枚でも無料で発行できます。各種公的支援の申請にそれぞれ必要になるため、多めに取得しておくことをおすすめします。
申請自体は可能です。ただし被害状況の確認が難しくなるため、被害写真が残っていれば必ず添付してください。写真がない場合でも、近隣の被害状況や気象データなどをもとに認定される場合があります。
床上浸水の被害に遭われた方へ
復旧のご相談はお気軽に。
アクサムでは床上浸水の復旧工事に加え、火災保険の申請に必要な見積書の作成・写真撮影のアドバイスまで対応しています。
現地調査・お見積もりは無料です。
24時間受付・全国対応・現地調査無料
関連コラム
⚠ 免責事項
・本記事の内容は一般的な罹災証明書の申請方法と公的支援制度を解説したものであり、特定の自治体・災害に基づくアドバイスではありません。
・公的支援の対象条件・支給金額は災害の規模や自治体の判断によって異なります。必ずお住まいの自治体にご確認ください。
・被災者生活再建支援金の金額は2024年時点の情報です。制度改正により変更される場合があります。