床下浸水で火災保険を申請する方法
電話から入金までの全手順
「保険会社に電話したら何を聞かれるの?」「工事はいつ始めればいい?」——この記事では、床下浸水で火災保険を申請する際の電話のかけ方から入金までの全手順を、水害復旧のプロが現場目線で解説します。
年間多数の保険申請をサポートしてきた水害復旧のプロが、保険会社との電話シミュレーションや工事タイミングの判断基準など、現場でしか知り得ない情報を盛り込んでいます。
❶ 被害写真を撮る【最優先】(掃除・片付けの前に)
❷ 保険会社に電話する(証券番号を手元に)
❸ 罹災証明書を取得する(自然災害の場合は取得推奨)
❹ 必要書類を準備して提出する
❺ 鑑定人の査定を受ける(訪問 or 書類審査)
❻ 査定結果・保険金額の通知
❼ 入金→復旧工事の開始
保険会社に電話する前に、まず被害写真を撮ることが最優先です。掃除や片付けで証拠が消えると取り返しがつきません。
STEP1:まず被害写真を撮る【最優先】
保険会社に電話する前に、まず被害状況を写真に残してください。これが申請で最も重要な証拠になります。
外壁の泥や浸水線は保険金の支払い判断に直結する最重要証拠です。きれいにしてしまうと復元できません。見た目が汚くても、「汚いまま撮る」が鉄則です。応急処置(止水など)は写真を撮った後なら問題ありません。
最低限、以下の4枚を撮っておけば大丈夫です。
- 建物の外観(全景)
- 外壁の浸水線(メジャーを当てて高さがわかるように)
- 床下の浸水状態(床下収納やキッチン下から)
- 被害箇所のアップ(汚損・破損の詳細)
STEP2:保険会社に電話する
写真を撮ったら、次は保険会社への電話連絡です。「何を言えばいいかわからない」という方が多いので、実際の会話の流れをシミュレーションします。
電話の前に準備するもの
- 保険証券(証券番号がわかればOK。証券が見つからなくても保険会社に名前と住所を伝えれば照会してもらえます)
- 被害の概要メモ(いつ・何が原因で・どの程度浸水したか)
保険証券が手元になくても申請はできます。保険会社の代表窓口に電話して「名前・住所・生年月日」を伝えれば契約を照会してもらえます。
保険会社との電話シミュレーション
実際の電話は以下のような流れで進みます。5〜10分程度で終わります。
諦めないでください。電話オペレーターは現場を見ていない状態で一般的な基準をもとに案内しているだけです。実際に鑑定人が現地を見て判断が変わったケースは数多くあります。「まず書類を送ってください」と伝えましょう。
STEP3:罹災証明書を取得する(自然災害の場合は取得推奨)
大雨や台風などの自然災害による浸水被害の場合、罹災証明書(りさいしょうめいしょ)を取得しておくことをおすすめします。火災保険の申請に必須の書類ではありませんが、保険会社から稀に提出を求められることがあるほか、公的支援の申請にも使えるため、取得しておくと安心です。
罹災証明書の発行には1〜2週間以上かかります。発行を待ってから保険申請を始めるとタイムロスになるため、役所への申請だけこのタイミングで済ませて、保険申請はそのまま次のSTEPへ進めましょう。罹災証明書は届いたら手元に保管しておき、保険会社から求められた場合にだけ提出すればOKです。
罹災証明書とは?
罹災証明書は、自然災害による住宅の被害の程度を市区町村が公的に証明する書類です。被害の程度に応じて「全壊」「大規模半壊」「半壊」「準半壊」「一部損壊」などに区分されます。床下浸水の場合は「準半壊」または「一部損壊」に該当するケースが多いです。
- 申請先:お住まいの市区町村の役所(防災課・危機管理課・税務課など、自治体により異なる)
- 申請に必要なもの:本人確認書類(運転免許証等)、被害写真、印鑑(自治体による)
- 費用:無料
- 発行までの目安:申請後1〜2週間程度(大規模災害時は1ヶ月以上かかる場合も)
取得の流れ
3-1
役所の窓口で申請する
市区町村の役所(防災課・危機管理課など)に行き、罹災証明書の交付申請書を提出します。多くの自治体ではオンラインや郵送での申請にも対応しています。STEP1で撮影した被害写真を添付すると手続きがスムーズです。
3-2
自治体職員による現地調査
申請後、自治体の調査員が自宅を訪問して被害状況を確認します。浸水の高さや被害範囲を調査し、被害認定区分を判定します。調査に立ち会えると、被害状況を直接説明できるのでベターです。
3-3
罹災証明書の交付
調査結果にもとづき、罹災証明書が交付されます。保険会社から提出を求められた場合は、この証明書を提出します。また、公的支援(支援金・義援金・税減免など)の申請にも使えるため、大切に保管してください。被害認定の結果に不服がある場合は、再調査の申請も可能です。
罹災証明書の申請には期限がある自治体がほとんどです(被害発生から1〜3ヶ月以内など)。期限を過ぎると申請できなくなる場合があるため、取得すると決めたら早めに役所へ申請しましょう。
火災保険の申請において、罹災証明書は必須書類ではありません。ただし、保険会社から稀に「罹災証明書を確認させてください」と言われるケースがあるため、自然災害の場合は念のため取得しておくのが安心です。なお、給湯管の破裂や排水管の逆流など自然災害以外が原因の浸水の場合は、そもそも罹災証明書の対象外です。
罹災証明書は火災保険の申請だけでなく、被災者生活再建支援金や災害義援金の申請、税金の減免、公営住宅の入居申請など、さまざまな公的支援を受ける際に必要になります。取得しておいて損はありません。
役所への申請を済ませたら、発行を待たずに次のSTEP4(書類準備)へ進みましょう。
STEP4:必要書類を準備して提出する
保険会社から届く書類に記入し、写真などの証拠と一緒に提出します。提出方法は郵送のほか、メール添付や保険会社のWeb申請画面からのアップロードに対応している会社も増えています。電話連絡時に「書類はどの方法で提出できますか?」と確認しておくとスムーズです。
保険会社から届く書類
- 保険金請求書 — 氏名・被害日・被害状況を記入
- 事故状況報告書 — 被害の原因や経緯を記入
自分で準備する書類
- 被害写真 — 前のSTEPで撮影したもの
- 修理の見積書 — 復旧業者に依頼して作成(アクサムでは無料で作成)
保険金の額は見積書の内容で大きく変わります。一般的なリフォーム業者の見積書は「床下清掃一式 ○万円」のようなざっくりした記載が多いですが、保険申請では作業項目ごとの詳細な内訳が求められます。水害復旧の専門業者に依頼するのが確実です。
STEP5:鑑定人の査定を受ける
書類提出後、保険会社が損害鑑定人(そんがいかんていにん)を手配します。鑑定人が被害状況を調査し、保険金の支払い可否と金額を判断するための報告書を作成します。
鑑定人の査定には2パターンある
内容:鑑定人が自宅を訪問し、浸水の高さ・範囲・原因を実地で確認
多いケース:被害額が大きい場合、水災補償での申請
内容:写真・見積書・報告書だけで判断
多いケース:被害額が比較的小さい場合、書類の質が高い場合
どちらのパターンになるかは保険会社が判断します。書類の質が高ければ訪問なしで済むケースも多いため、STEP4の見積書・写真の質が重要になります。
訪問査定で見られるポイント
- 浸水の高さ — 外壁の水跡、床下の浸水痕から正確な高さを計測(45cm基準について詳しく)
- 被害の範囲 — どの部屋・どの設備まで被害が及んでいるか
- 被害の原因 — 自然災害か、設備の事故か、経年劣化か
- 修理見積書との整合性 — 見積書の内容が実際の被害と合っているか
鑑定人が訪問した際、見積書の内容や工事の詳細について質問されることがあります。ご自身で回答が難しい場合は、「施工業者に直接ご確認ください」とお伝えいただいて問題ありません。アクサムでは鑑定人からのお問い合わせにも直接回答対応しています。
STEP6:査定結果と保険金額の通知
鑑定人の査定が終わると、保険会社から査定結果の連絡が届きます。
結果は3パターン
認定
見積額の全額が認められた
提出した見積書どおりの金額が保険金として支払われます。書類の質が高く、被害と見積りの整合性が取れている場合に多いケースです。
認定
見積額の一部が認められた
「この項目は対象外」「この金額は過大」などの理由で減額されるケース。内容に不服がある場合は異議申し立てが可能です。
査定結果は確定ではありません。異議申し立て(再審査の請求)ができます。その際、専門業者による詳細な報告書や追加の写真を提出することで結果が変わるケースがあります。「対象外」や「減額」と言われても、すぐに受け入れる必要はありません。
STEP7:入金→復旧工事の開始
査定額が確定すると、1〜2週間程度で指定口座に保険金が振り込まれます。
申請から入金までの目安
トータルで最短2〜4週間、一般的には1〜3ヶ月が目安です。書類の不備があると差し戻しで時間がかかるため、最初の書類の質が重要です。
復旧工事はいつ始めるのがベスト?
これは現場で最もよく聞かれる質問です。結論から言うと、鑑定人の査定が終わった後がベストです。
証拠は残っているので
安心して工事を進められる
緊急性がある?
写真を撮ってから
最低限の処置を
証拠を消さずに
査定を待つのが最善
なぜ査定後がベストなのか
- 浸水の証拠が消える — 外壁の水跡、床下の泥、浸水線がなくなると鑑定人が判断できない
- 査定額が下がる — 「被害が確認できないため満額は出せない」と言われるリスク
- 「工事済みなので対象外」と判断される可能性 — まれですが実際にあったケースです
浸水後に放置するとカビが発生し、健康被害や建物の劣化が進みます。査定まで1ヶ月以上かかりそうな場合は、写真をしっかり撮った上で応急的な乾燥・消毒処置を行うのが現実的です。その際も「応急処置の記録(写真+日付+内容)」を残しておきましょう。
申請でよくある失敗と対策
水害復旧の現場から見てきた、保険申請で損をしてしまう典型的な失敗を紹介します。
写真を撮る前に掃除してしまった
最も多い失敗です。外壁の泥や浸水線が最大の証拠なのに、きれいにしてしまうと復元できません。「汚いまま撮る」が鉄則です。
電話で「床下だけです」と言ってしまった
正確な計測をしていないのに自己判断で伝えてしまうと、保険会社に「水災の基準外」と先入観を持たれます。「正確にはまだ確認できていません」が正解です。
リフォーム業者にざっくりした見積書を作ってもらった
「床下清掃一式 30万円」のような見積書では保険会社が査定できません。作業項目ごとの単価・数量・根拠が記載された詳細な見積書が必要です。
「対象外」と言われてすぐ諦めた
電話口の案内や初回査定で「対象外」と言われても、再調査の請求や異議申し立ては可能です。専門業者の報告書を添えて再申請したら結果が変わったケースは実際にあります。
よくあるご質問
証券番号、被害の発生日時、被害の原因(自然災害 or 設備故障など)、被害の状況(どの程度浸水したか)を聞かれます。この段階では正確でなくてもOKです。
一般的に1〜3ヶ月程度です。書類に不備がなければ2〜4週間で完了するケースもあります。
火災保険の申請に必須ではありません。ただし、保険会社から稀に提出を求められることがあるほか、被災者生活再建支援金や税金の減免など公的支援の申請にも使えるため、自然災害の場合は取得しておくと安心です。詳しくはSTEP3をご覧ください。
必ずしも訪問するとは限りません。被害額が比較的小さい場合や書類の質が高い場合は、書類審査のみで完結することもあります。
保険金の入金を待つ必要はありません。ただし鑑定人の査定が終わるまでは証拠を残しておくことが重要です。査定後であれば入金前でも工事を始めて問題ありません。
申請自体は自分でもできます。ただし見積書の作成や写真の撮り方で査定額が大きく変わるため、水害復旧の専門業者にサポートを依頼するのがおすすめです。アクサムでは申請サポートも無料で対応しています。
「申請のやり方がわからない」
「書類に自信がない」——まずはご相談を。
アクサムでは保険申請に必要な見積書の作成・写真撮影のアドバイス・鑑定人からの問い合わせ対応まで、トータルでサポートしています。
現地調査・お見積もりは無料です。
24時間受付 ・ 全国対応 ・ 現地調査無料
床下浸水×火災保険
罹災証明・公的支援
⚠ 免責事項
・本記事の内容は一般的な火災保険の申請手順を解説したものであり、特定の保険商品・契約内容に基づくアドバイスではありません。
・実際の手続きや必要書類は保険会社・商品によって異なる場合があります。
・電話シミュレーションは一般的なケースを想定したものです。実際の対応は保険会社により異なります。
プロが無料でチェックします
お名前や住所をお聞きすることはありません。
まずはお気軽にご状況をお聞かせください。
「うちのケースでも保険使える?」
そんな疑問だけでもお気軽にどうぞ。
ご希望の方には現地調査・お見積もりも無料で対応いたします。