床下浸水で罹災証明は必要?
火災保険との違いと正しい優先順位
「罹災証明書って火災保険の申請に必要?」「先に取らないとダメ?」——実は火災保険の申請に罹災証明書は不要です。この記事では、両者の違いと正しい優先順位を水害復旧の専門業者が解説します。
❶ 火災保険の申請に罹災証明書は不要(別々の制度)
❷ 最優先は被害写真の撮影→保険会社への電話
❸ 罹災証明書は公的支援(義援金・税減免など)のために取得しておくと安心
❹ 両方の申請は並行して進めるのがベスト(罹災証明の発行を待つ必要なし)
罹災証明書と火災保険は「別物」
まず最も大事なことをお伝えします。罹災証明書と火災保険はまったく別の制度です。
床下浸水の被害に遭うと、「罹災証明書を取らないと保険がおりないのでは?」と思う方が多いのですが、これは誤解です。
発行元:市区町村(自治体)
目的:被害の程度を公的に証明する
用途:公的支援(義援金・税減免・支援金など)
費用:無料
契約先:民間の保険会社
目的:契約に基づく損害の補償
用途:修理費用の保険金支払い
査定:保険会社が独自に行う
つまり、火災保険の申請に罹災証明書は必要ありません。保険会社は自社の鑑定人が独自に査定を行うため、自治体の被害認定とは別のプロセスで保険金の支払い判断をします。
床下浸水で最初にやるべきことの優先順位
床下浸水の被害に遭ったとき、やるべきことの正しい優先順位はこうです。
❶ 被害写真を撮る
掃除や修理の前に、被害状況を写真で記録します。火災保険の申請にも、罹災証明書の申請にも使う最重要の証拠です。浸水の高さがわかるようにメジャーを当てて撮影しましょう。
❷ 保険会社に電話する
火災保険の申請が最も金額的なインパクトが大きいため、早めに動きましょう。証券番号を手元に用意して、被害状況を伝えます。
❸ 役所に罹災証明書を申請する
保険会社への電話と同じタイミングでOK。発行には1〜2週間かかりますが、保険の申請を待つ必要はありません。届いたら公的支援の申請用に保管しておきます。
「罹災証明書を取ってから保険会社に電話しよう」と考えて、1〜2週間何もしない方がいます。これはタイムロスです。火災保険の申請に罹災証明書は不要なので、保険会社への電話は被害写真を撮ったらすぐに行いましょう。
罹災証明書とは?
罹災証明書(りさいしょうめいしょ)は、自然災害による住宅の被害の程度を市区町村が公的に証明する書類です。被害の程度に応じて「全壊」「大規模半壊」「半壊」「準半壊」「一部損壊」などに区分されます。
- 申請先:お住まいの市区町村の役所(防災課・危機管理課など)
- 費用:無料(何枚でも発行可能)
- 発行までの目安:1〜2週間程度(大規模災害時は1ヶ月以上)
- 申請期限:被害発生から1〜3ヶ月以内(自治体により異なる)
火災保険の申請に罹災証明書が不要な理由
火災保険の申請に罹災証明書が不要な理由は、保険会社と自治体では被害の査定方法がまったく異なるからです。
- 火災保険:保険会社の鑑定人が現地を訪問し、契約内容に基づいて損害額を査定。被害写真・修理見積書などが判断材料
- 罹災証明書:自治体の調査員が内閣府の基準に従って被害区分を判定。「全壊」「半壊」などの区分で認定
つまり、保険会社は自治体の判定に依存していません。保険会社は自社の基準で独自に査定を行うため、罹災証明書がなくても保険金の支払い判断ができます。
保険会社から「罹災証明書を確認させてください」と言われるケースがごく稀にあります。そのため、自然災害の場合は念のため取得しておくのがおすすめです。並行して申請しておけば、求められたときにすぐ対応できます。
罹災証明書が役に立つ場面(公的支援)
火災保険には不要ですが、罹災証明書は公的支援を受ける際に必要になります。取得しておくと使える場面は意外と多いです。
- 被災者生活再建支援金 — 被害の程度に応じて支給(大規模災害時)
- 災害義援金 — 床下浸水でも配分対象になるケースあり
- 税金の減免・猶予 — 固定資産税・住民税など
- 住宅の応急修理制度 — 災害救助法に基づく修理支援
- 公営住宅の入居申請 — 被災者向けの優先入居
- 災害復旧貸付 — 低利融資の利用
支援内容は災害の規模や自治体によって異なりますが、無料で何枚でも発行できるので、取得しておいて損はありません。多めに取得しておくと各種申請のたびに使えて便利です。
罹災証明書の申請には期限がある自治体がほとんどです(被害発生から1〜3ヶ月以内など)。期限を過ぎると申請できなくなるため、保険会社への電話と並行して早めに申請しましょう。
よくあるご質問
はい、発行されます。床下浸水は「準半壊」または「一部損壊(準半壊に至らない)」として認定されるケースがほとんどです。
いいえ、罹災証明書がなくても火災保険は申請できます。保険会社は独自の鑑定人が査定を行うため、自治体の罹災証明書は必要ありません。ただし、稀に提出を求められるケースがあるため、取得しておくと安心です。
被害写真の撮影が最優先です。その後、保険会社への電話を先に(または同時に)、罹災証明書の申請は並行して進めましょう。罹災証明書の発行を待つ必要はありません。
いいえ、罹災証明書は自然災害による被害が対象です。設備故障による浸水の場合は対象外です。この場合、火災保険は「水濡れ」補償で申請します。
お住まいの市区町村の役所(防災課・危機管理課・税務課など)で申請できます。自治体によってはオンライン申請にも対応しています。費用は無料です。
公的支援(被災者生活再建支援金・災害義援金・税金の減免など)の申請に使えます。火災保険とは別のルートで支援を受けられる可能性があるため、取得しておいて損はありません。
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⚠ 免責事項
・本記事の内容は一般的な罹災証明書と火災保険の関係を解説したものであり、特定の自治体・保険商品に基づくアドバイスではありません。
・罹災証明書の申請方法・必要書類・期限は自治体によって異なります。必ずお住まいの自治体にご確認ください。
・火災保険の補償内容は契約内容により異なります。詳細はご加入の保険会社にお問い合わせください。